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雇用・労働
 昨年12月に政府から「同一労働同一賃金ガイドライン(案)」が発表されました。これをめぐって、労働界や弁護士の間でも混乱が生じています。議論を整理することが必要です。
 まず、今回発表された「同一労働同一賃金ガイドライン(案)」は「同一労働同一賃金」を実現するためのものではないことを確認しておく必要があります。「同一労働同一賃金」は同じ労働(仕事すなわち職務)をしているのであれば同じ賃金(処遇)を支払う」という原則です。
 今回発表された「同一労働同一賃金ガイドライン(案)」は上記の原則に基づいて賃金(処遇)が支払われるべきことを前提としているものではありません。
 今回発表されたガイドライン案は、現在存在する有期契約であることによる不合理な差別を禁ずる労働契約法20条と短時間労働であることを理由とする不合理な差別を禁ずるパート法8条の解釈運用基準を記載しているものに過ぎないのです。労働契約法20条やパート法8条は「不合理な差別」を禁止するだけであり、「同じ仕事をすれば同じ賃金を支払う」との「同一労働同一賃金」を保障したものではないのです。

 なぜ、それなのに「同一労働同一賃金」と付されたのでしょうか。安倍首相は、同一労働同一賃金の実現に向けて法律を作ると公約しました。しかし、経団連などの強い反対の中で、同一労働同一賃金に向けた立法を断念したのです。そこで登場したのが、ガイドライン案の立法化です。ガイドラインの内容はあくまで現行規制法の解釈基準ですから,新たな法律を作る必要などないのです。明らかな矛盾であり、ごまかしです。

 労働界や弁護士の中にも、ガイドライン案が「手当」や「賞与」に関して正規と非正規との別扱いを厳格に解釈しているために相当の評価をしている方々がいます。しかし、ガイドライン案では基本給の支給について不合理であると解釈される支給の仕方はほとんどありません。「同一労働同一賃金」の解釈ではないからです。このことをきちんと確認しておくことが重要です。

 安倍首相は「同一労働同一賃金」を推進するとしていたにもかかわらず、このままでは「同一労働同一賃金」に向けた法律をつくろうとしないのです。 安倍首相のごまかしを許さず、真の「同一(価値)労働同一賃金」を実現するための法律を制定するように運動を進めていきましょう。

 
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 本日は、東京の中央大学駿河台記念館で非正規労働者の権利実現全国会議の第9回総会です。明治大学の遠藤公嗣教授が「同一(価値)労働同一賃金の実現をめざして」と題して講演されています。

DSC_0333.JPGのサムネイル画像 韓国労働社会研究所のキム・ジョンジン氏の講演が14日龍谷大学で行われ参加しました。同氏は韓国のパク・ウォンスンソウル市長の労働政策の責任者として、画期的な政策をいくつも実現してきた人物です。
 わが国では、国や自治体で働く非正規公務員がますます増大しており、いまや全体の3割ないし4割に達しようとしており、「官製ワーキングプア」問題として深刻な事態となっています。これに対して、ソウルしでは、ソウル市あるいはソウル市の関連企業・団体で働く非正規雇用労働者の正規化が着々と実現してきているのです。なぜ、そんなことができるのか、なぜ、それが必要なのか。これからの日本の非正規公務員問題を考えていくうえで、キム氏のお話は大変貴重なものでした。

 今回の企画を頂いた龍谷大学の脇田教授から講演でも紹介頂いた動画を紹介いただきました。ぜひご覧ください。

非正規職の正規職転換
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkXzNNSmNUSnFwZmM


Soeul_City_20170127_version2 ソウルの労働政策全般(音を少し改善)
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkcUNROUtDSUJoZkU


労働政策基本計画 Seoul_city_labor_Japnaese_title_Ver_20170215_wakita_park
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkNnVSWHR4dU56Z2s

アルバイト権利章典 20170215_Seoul_Arbeit_Jap_subtitle_wakita_park
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkQzNlZHhrTkRjeEk

生活賃金 Seoul_living_wage_ordinance_Japanse_subtitle_20170215_wakita_park
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkRVFSamIxUTdtN0k

勤労者理事制 20170215_Seoul_kinrosha_rijise_Japanese_subtitle_wakita_park
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkZWdzODd6b3RRZGs

労働時間短縮 Seoul_work_hour_Japanese_subtitle_wakita_park
https://drive.google.com/open?id=0B-LlVsaFuOwkc3Zqd3QyMVB3Z1k

IMG_1948.JPGのサムネイル画像

 労働時間の短縮を求めて労働組合を結成した2名の社員に対する昇給と賞与差別の是正を求めたプリントパック事件、本日中労委において和解が成立しました。

 解決金の支払いと賃金額の是正を図るなど和解内容は,組合及び組合員にとって満足できるものです。会社は労働時間の短縮に向けて努力することを表明しており、今後労使間の健全な関係が構築されることが期待できます。
 和解内容のうち公開が認められた部分について,下記のとおり、皆様に報告します。

 円満に和解が成立したことをご報告するとともに、これまでの多くの皆様のご支援に感謝申し上げます。
なお、3月25日午後1時30分より東京文京区民センターにおいて報告集会を開催します。多数の皆様のご来場をお待ちしています。
和解公開内容.jpg



















































       
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 格差と貧困がますます広がっています。最低賃金の大幅引き上げが極めて重要です。日本弁護士連合会が最低賃金の引き上げを求めるビラを作成しました。最新の情報も盛り込んでいます。ぜひご利用ください。A3版で印刷いただければ見やすくなります。
 なお、リーフレット自体が必要な方は日弁連までご連絡頂ければ無償で頒布してくれるそうです。

ブラック企業大賞で出頭命令.jpg 長時間労働(1日2交代制など)の是正を求めて労働組合を立ち上げた青年労働者2名を不当配転したプリントパック社が,昨年12月にブラック企業大賞「業界賞」を受賞しました。
http://neo-city.jp/blog/2016/12/post-391.html

 これに対して、プリントパック社は,当該労働者が受賞選定に関わった疑いがあるとして、事情聴取をするとして本社への呼び出し状を労働者に送付してきました。呼び出し状には、労働者に就業規則違反の疑いがあるとも記載されています。さすがブラック企業に選定されただけの会社です。受賞を反省の機会にするのではなく、労働者・労働組合の活動に不当に介入し、さらに不当労働行為を繰り返しているのです。

 このままでは、ブラック企業・プリントパック社に未来はないのではないでしょうか。

 

 12月20日に政府は「同一労働同一賃金ガイドライン案」を発表しました。 
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/siryou3.pdf

「同一労働同一賃金」とは,同じ仕事をする労働者には、性や雇用形態に関わりなく同じ賃金(処遇)を支払うという原則です。ILO条約の基本条約の1つであり、世界各国で採用されています。

 ところが、このガイドライン案では上記の説明がきちんとなされないまま、「同一労働同一賃金は、いわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇格差の解消を目指すものである。」と記載されています。不合理な待遇格差なのか否かを判断する基準として,同一労働同一賃金原則が存在するはずなのです。「性や雇用形態に関わりなく、同じ仕事をする労働者には同じ賃金(処遇)を支払うという原則」が承認されなければ、何が合理的で何が不合理なのかを判断することは困難です。

 ガイドライン案は、賞与支給についての不合理性判断において一定の前進面があることは認められるものの、退職金支給については触れていません。基本給の支給についても不合理だと判断する基準が明確ではありません。
 大いに議論して、しっかりしたガイドラインに変えていくように提言していきましょう。

 同一労働同一賃金について、12月10日に出版されたばかりの『「働き方改革」という名の"劇薬"」(学習の友社)に少し詳しく書かせてもらいました。
労働法律旬報の1月号にも論文を掲載しました。興味のある方はご覧ください。多くのみなさんが議論に参加されることを期待します。
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 今年の「ブラック企業大賞」が発表されました。私が担当するプリントパック不当労働行為事件の加害企業である株式会社プリントパック社が「業界賞」を授与されました。世間の注目を浴び今年5年目を迎える「ブラック企業大賞」の発表ですが、よくもまあ「ブラック」な企業が毎年毎年次々と出てくるものです。
http://blackcorpaward.blogspot.jp/

 プリントパック社の受賞理由は以下のとおりです。
    
 貴社は2010年に新入社員が印刷機に巻き込まれて死亡する労災事故を起こした。当時、この凄惨な死は貴社によって「機械の不具合」による業務遅延として発表された。その後、自らも月80時間前後の「過労死ライン」と見られる残業を繰り返し強いられていた労働者が、労働組合(全印総連ユニオン京・プリントパック京都分会)を結成したが、貴社は組合員に対する配転命令や、残業時間の長さを会社への貢献度と査定し、一時金などを支給しないなどの組合員差別を行った。
 同労組が京都府労働委員会に救済を申し立てたところ、2016年7月19日、府労委は、貴社による不当労働行為を認め、賃金や賞与の差額を支払うよう命じた。府労委の尋問で会社取締役は「組合員の異動はストライキを回避するための予防措置」「定時に退社することは、会社に対する抗議行動であり、ストライキと一緒である」と発言し敵意をむき出しにしたという。
 ブラック企業の存在によって、労働者を公正に雇用し、責任あるビジネスモデルで応えようとしても営業自体が成り立たない企業は増加している。業界の安易な低価格競争に警鐘を鳴らし、貴社が労働者を大切に扱うことを勧告する意味を込め、ここに「ブラック企業大賞2016」の「業界賞」を授与する。

 プリントパック事件は現在中央労働委員会で審理中です。これを機会に、会社がいままでの取扱について充分に反省し、働く労働者を大切にして、労働組合と働き方の改善に向けて真摯な話し合いを開始することを期待したいものです。

 同一労働働同一賃金の実現に向けて政府は、正社員と非正規雇用の労働者で賃金や待遇に差をつける場合の基準を示したガイドラインの案を今月20日に提示することになりました。厚生労働省の有識者検討会は、このガイドラインの考え方について16日、中間報告書を取りまとめました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146057.html


 報告書では非正規労働者の待遇を改善するための基本的なポイントとして、賃金を決めるルールや基準を明確化することや教育訓練を含めた能力開発の機会が均等になるようにすることなどを挙げ、ガイドラインが重要な手段であり第一歩になるとしています。

 どのようなガイドラインが発表されるのか、正規と非正規の格差是正を実現するために役に立つ基準が作成されるのか、現状追認のものになってしまうのか。大いに注目したいと思います。

 ガイドラインの発表を待って、あらためて「同一労働同一賃金」をどう考えていくのかを論じたいと思います。

 なお、学習の友社から共著で「「働き方改革」という名の「劇薬」」(1080円)という本を出版しました。この中でも詳しく「同一労働同一賃金」について記載しました。ご購読いただけると幸甚です。


  日本弁護士連合会は11月24日、「あるべき労働時間規制に関する意見書」を発表しました。
 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2016/161124_2.html

安倍政権は、「働き方改革」を提唱し、その1つとして「長時間労働の是正」を掲げています。しかし、具体的な是正方向が示されないばかりか、長時間労働をさらに促進する高度プロフェッショナル制度の導入などを内容とする労働基準法改正案を国会に提出したままでいます。
 安倍政権の「働き方改革」が、見かけだましの「働き方改革偽装」である可能性大です。
 痛ましい電通事件の悲劇を繰りかえさないためにも、今こそ本格的な労働時間規制を制度化しましょう。 

 日弁連意見書の大きな特徴は、①労働時間の上限規制と②勤務間インターバル規制の法制化です。

①労働時間の上限規制について
 わが国の労働時間は、労働基準法で1日8時間週40時間に規制されているはずなのに、36協定を結ぶと青天井に残業できることになっています。労働省の告示(「労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準によって、36協定による延長時間の限度時間を作成し指導することとしていますが、法的規制効力はありません。また、「特別事情」があれば限度を超えることを認めています。
 日弁連は、この労働省告示の基準(週15時間、月45時間、年間360時間など)を労働基準法に規定するとともに、特別条項の廃止を求め、このことを直ちに実行することを求めています。そして労働時間の上限規制を厳格化していくことを求めています。

②勤務間インターバル規制について
 わが国では労働時間の規制はありますが、労働時間をいくつもに細切れすることは自由とされています。そのために充分に睡眠をとることもできない働き方が現実に生じています。そこで、勤務終了後次の勤務開始までに一定の時間を確保することを法的に規制しようとするのが勤務間インターバル規制です。8時間の睡眠時間と食事時間と通勤時間などを考慮し、11時間のインターバル規制とするのがEU諸国の例です。日弁連はわが国でも直ちにこの11時間雄勤務間インターバル規制の法制化をすることを求めています。

 男性も女性も、ワークライフバランスを実現し、人間らしく働き続けるために、わが国の長時間労働規制を実現していきましょう。みなさまのご支援をお願いいたします。

 
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 11月3日、大阪のエル大阪において「なくそう!官製ワーキングプア・第4回大阪集会」が開催され、140名の方々が集いました。脇田教授の韓国ソウル市の革新的な政策の紹介や、山仲野洲市長による民間委託ではなく直用による公共サービス推進の市政づくりなど盛りだくさんの内容でした。非正規公務員闘争をたたかっている皆さんの報告の大変感銘的でした。

 それにしても、わが国の国や自治体での非正規雇用の増大には驚かされます。

 そもそも、国家公務員法や地方公務員法では、公共サービスの担い手である公務員は質が高く安定したサービス提供のために、正規職員が担当すべしと規定されています。
 それがいつの間にか、予算がないからと非正規職員に置き換えられているのです。

 非正規国家公務員は5万6000人以上で、その92%が任期1年の不安定雇用です。しかも、民間と違ってたとえ何十年も更新を繰り返しても更新を拒絶されるのです。
 地方公務員は、2008年に約60万人だった臨時・非常勤等非正規職員が2012年には約70万人に急増しています。その大半が年収200万円以下です。

 仕事を紹介するハローワーク職員の59パーセントが非正規職員で占められています。皆さんがハローワークで仕事を探すときに相談をしてくれる担当者はほとんどが非正規職員なのです。

 公務でも民間に負けずに非正規が増大しています。真の「同一労働同一賃金」の実現など,わが国の正規と非正規の格差を是正していく運動を官民協力して進めていきましょう。

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