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雇用・労働
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  11月10日に日本労働弁護団創立60周年の総会が東京であり、その中で3月30日月に京都地裁で勝訴判決を得た「A福祉施設求人詐欺事件」担当弁護士として、今年度の労働弁護団賞を受賞しました。全国で同種事件を担当している皆さんにこの判決がお役にたつことを願っています。

 ところで、私は労働弁護団の総会に続いて、昨日と本日の2日間、東京に滞在し、「トラブルメーカーズ東京スクール」を受講しました。アメリカで1979年に創設されたレイバーノーツという職場の組織化のための実践的なノウハウを伝授する団体のワークショップを日本ではじめて開催したものです。ジェーン・スロータさんとレア・フリードマンさんの2名の女性講師によるきわめて体系的で論理的でエネルギッシュな2日間にわたる参加型授業を体験しました。とて未刺激的であり、これほどまでに労働組合の組織化について体系的な講義を受けたことは初めての経験でした。第1部「無関心に打ち克つ」第2部「理想的なチームのリーダーをつくる」第3部「課題を運動化する」の課題をみっちりと1日半かけて指導してもらいました。
 いま、あらためて労働組合の意義が問われているわが国において、魅力ある労働組合をつくっていくためにとっても希望の持てる実践的教育活動でした。
 労働弁護団では、レイバーノーツのテキスト解説書を翻訳し、来年1月に出版予定です。楽しみにしていてください。
 たくさんの労働組合の方々がこの取組を実践することによって、日本の労
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働組合の組織率が向上することを期待します。















9月21日のブログでお伝えした判決について、多くの方からお問い合わせ頂きました。皆さんのご参考にして頂くために、概要をまとめてみました。少し長くなりますが、ご了承ください。


         京都市立浴場運営財団事件京都地裁判決(H29.9.20)報告
                                     
■ 事案の概要
  被告財団は、被告京都市が100パーセント出資して設立し、被告京都市からの出向職員らが事務の中心を担当する財団であり、京都市内の市立浴場を運営する。経営不振により解散となりましたが、正職員には退職金規程に基づく金額の35%のみ支給し、残額の支給はできていません。嘱託職員には退職金規程がなく退職金の支払いはありませんでした。
  正職員原告らは、被告財団に対して退職金残額の支払いを求めるとともに、被告京都市に対して被告財団と連帯して退職金を支払う義務があるとして同額の支払いを求めました。原告嘱託職員らは、正職員と同様の業務に従事し責任も同じであるにもかかわらず、退職金が支払われないのは不当だとして正職員と同率の退職金の支払いを被告財団に請求するとともに、被告京都市にも請求しました。
  判決は、被告京都市に対する請求を棄却し、被告財団に対する原告らの請求をいずれも認容しました。ただし、嘱託職員原告らに対する認容請求権は、退職金請求権ではなく、退職金相当額の不法行為に基づく損害賠償請求権です。

■ 嘱託職員に対する判決の意味
  1年有期契約を多数回(5回ないし13回)更新され、正規職員に比べ週の勤務日数が1日少なく(4日)1日の労働時間が30分短い(7時間15分)嘱託職員らが、旧パート法8条1項所定の「その全期間に置いて、正規職員と職務の内容及び配置の変更の範囲が同一の範囲で変更されると見込まれるもの」に該当するとして、正規職員らに関する退職金規程にもとづいて算出された退職金相当額を原告らの損害として不法行為の成立を認めました。今後立替払い請求や破産手続において、少しでも回収ができるように努力したいと考えています。
  本判決は、退職金規程がなくてもパート労働者が正職員と同じ退職金請求権のあることを認めた画期的なものです。このようなパート法8条(現行9条)違反の判決は全国で2例目です。大変貴重なものです。

■ 本判決の影響
  京都市に対する請求が認められなかったことは大変残念です。しかし、嘱託職員について、財団に対する退職金相当額の請求が認められたことは画期的なものです。
  本事件は、旧パート法8条の事案であり、現行パート法では9条に関する事案です。国会提案予定の働き方改革促進一括法案要綱よれば、現行パート法は対象を有期にも拡大することになり、パート法9条の均等待遇規定は有期にも適用となります。
  これまでの判例は、労契法20条の解釈において、契約期間の長短によって基本給などに差があることは不合理ではないとしています。退職金についても同様と考えられています。9条の要件に該当すれば、契約期間の長短を考慮要素にすることはできないのであり、今回の判決はそれを明確にしました。どうして労契法20条やパート法8条ならば契約期間の長短が考慮要素となり得るのか説明がつかないのではないでしょうか。裁判所の解釈は矛盾していることが明らかになったものです。労契法20条裁判の解釈にも大きく影響する判決だと考えます。
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 わが国では、総選挙に向けて刻々と情勢が変化するという慌ただしい日々が続いています。今回の総選挙の争点は何なのでしょうか。
 私は、憲法を守るのか破壊するのかが、最大の争点だと考えています。守るべき憲法は9条だけではなく、幸福追求権(13条)や生存権(25条)などの人権保障規定などです。その中で、「労働者の権利」もしっかりと擁護すべきです。ワーキングプアを無くし、格差の是正を図ること、これもまた憲法の保障規定をしっかり実現していくことなのです。
 先週の22日から25日まで、韓国の全州で開催された「日韓労働フォーラム」に参加してきました。女性差別の是正のためにどのような法整備や行政手続きが行われているのか、両国の共通性や相違について両国の研究者の皆さんと意見交換しました。韓国から学ぶことがたくさんありました。日本の経験を伝えることもできました。相互交流の重要性を痛感しました。ソウルから3時間ほどバスに乗って全州を訪問しました。とてもすばらしい街でした。学忍堂に宿泊しました。食事もそしてマッコリもいうことなし。充実した4日間でした。この4日間に北朝鮮の脅威はまったく感じませんでした。
 昨日、京都市の100パーセント出資の財団法人を被告とする裁判で判決を得ましたのでご報告します。被告は京都市立浴場財団です。経営上の理由から解散したのですが、職員に対する退職金が全額支払われていないため、その支払いを求めて裁判となりました。

 財団は、正職員については退職金規定どおりの退職金額があることは認めましたが、資金が不足しているとして一部の支払をしただけです。判決は残額の支払いを命じました。

 問題は、嘱託職員です。正職員と同じ仕事をし同じ責任も課されていたのに、嘱託職員には退職金規程がなく、財団はまったく支払をしていません。

 判決は、嘱託職員の皆さんは、旧パート法8条1項の「その全期間において、正規職員と職務の内容及び配置の変更の範囲が同一の範囲で変更されると見込まれるもの」に該当するとして、嘱託職員に退職金を支給しないことは違法であるとし、財団に対し、正職員と同じ比率の退職金額を支払うように命じました。

 京都市浴場財団は京都市が100パーセント出資して創設した財団です。京都市は、判決内容がきちんと履行されるようにする義務があるのではないでしょうか。
 毎日新聞の報道です。

「成果型労働制といわれる「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)導入を含む労働基準法改正案の修正を政府に求めて容認する姿勢を示していた連合が一転、高プロの政労使合意を見送る方針を固めたことが関係者への取材で分かった。
  連合は、所得の高い一部の専門職を労働時間の規制から外す高プロ導入を「過労死を助長する」として2年以上反対し、改正案を「残業代ゼロ法案」と批判してきた。ただ、連合は「年104日以上の休日確保」を義務付けるなどの修正案を示し、高プロを容認する方向にかじを切っていた。
 27日に札幌市で中央執行委員会を開き、高プロの事実上容認を撤回して反対へ転ずる。27日に延期されていた政労使会談は、中止される見通し。政府は秋の臨時国会で高プロ導入と裁量労働制拡大、残業時間の上限規制を盛り込んだ改正案を可決・成立させる方針だった。連合の神津里季生(こうづりきお)会長は13日に改正案の修正を安倍晋三首相に申し入れた際、「(与党多数の)政治状況の中で(健康確保措置が)不十分なまま改正案が(残業規制と一括で)成立してしまうことは耐えられない」としていた。」

 他紙も同様の報道です。連合傘下の労働組合員たちからの猛反発が方針転換をもたらしました。秋の臨時国会に提出されるであろう「労働基準法改正案」に対し、反対の共闘が維持されることになりました。ひとまず、安心しました。やはり、現場の労働者の怒りを結集してしっかりと伝えていくことが重要なんだとあらためて感じた次第です。

労働組合離れ

 連合執行部が、加盟組合の意見も聴かずに勝手に政府や経団連と密かに協議して、「残業代ゼロ法案」廃案の立場を転換させました。連合内部からも批判が続発しています。

 方針転換についての神津会長の説明が認め難いことだけでなく、今回の推移は労働組合としての民主主義手続きを大きく欠いたものであり、組合員らの怒りは当然だとおもいます。わが国最大のナショナルセンターがこんな体たらくな状況であることは悲しい限りです。

 ところで、今朝の朝日新聞に、若い教員の組合離れについて,結成70年の日教組の実態が紹介されていました。1958年度に86%だった加入率が、2016年度は24%まで落ち込んでいます。新採用の教員の加入率は、1960年度は77%でしたが、2016年度は19%です。

 日教組に対する政府・文科省の攻撃がすさまじかったことは事実ですが、それだけで若者の組合離れをすべて説明することはできません。「組合と自分の考え方に温度差がある。」「「入ってもプラスがない。」こうした若者の声に応えていくことが必要でしょう。若者から信頼される組合をどう作っていったら良いのか、みんなで知恵を出し合いましょう。
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 6月10日、いのちと健康を守る中四国ブロックセミナーの講演で徳島に行ってきました。
 鳴り物入りで登場した「働き改革」ですが、結局現状の低賃金・劣悪・長時間のわが国の「働かせ方」を追認するものであることが明らかになってきました。

 中四国でも元気な方々が各地で工夫し様々な運動を展開していることを知ることができ、大変有意義な機会でした。

 しかも、夜はおいしい食事とおいしいお酒とともに阿波踊りの講習を受けての実演、しっかりと楽しむことができました。
 
 さて、日弁連は明日、最低賃金大峰幅引き上げを求めるシンポジウムを開催します。

 最低賃金の引き上げは、格差を是正し貧困を克服するためにきわめて有効な施策です。

 わが国の働き方を人間らしく働けるものに改革し、働く条件を底上げしていくために、多くの皆さんのご支援、ご協力をお願いいたします。どなたでも入場可能です。もちろん無料です。お時間の許す方、ぜひご参加ください。
 まもなく今年の地域別最低賃金額をどうするかの審議会が開始します。京都では時給831円、当児湯でも932円、宮﨑と沖縄は714円。週40時間めいっぱい働いても,とうていまともな暮らしはできません。大幅な最低賃金の引き上げが必要です。
 日本弁護士連合会が会長声明を発表しましたので、少し長くなりますが紹介します。 

最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

 中央最低賃金審議会は、近々、厚生労働大臣に対し、本年度地域別最低賃金額改定の目安についての答申を行う予定である。昨年、同審議会は、全国加重平均25円の引上げ(全国加重平均823円)を答申し、これに基づき各地の地域別最低賃金審議会において地域別最低賃金額が決定された。

しかし、時給823円という水準は、1日8時間、週40時間働いたとしても、月収約14万3000円、年収約171万円にしかならない。この金額では労働者が賃金だけで自らの生活を維持していくことは到底困難である。日本の最低賃金は先進諸外国の最低賃金と比較しても著しく低い。例えば、フランスの最低賃金は9.76ユーロ(約1218円)、イギリスの最低賃金は7.5ポンド(25歳以上。約1083円)、ドイツの最低賃金は8.84ユーロ(約1103円)であり、日本円に換算するといずれも1000円を超えている。アメリカでも、15ドル(約1667円)への引上げを決めたニューヨーク州やカリフォルニア州をはじめ最低賃金を大幅に引き上げる動きが各地に広がっている(円換算は2017年5月下旬の為替レートで計算。)。

我が国の貧困率は過去最悪の16.1パーセントにまで達しており、貧困と格差の拡大は女性や若者に限らず、全世代で深刻化している。働いているにもかかわらず貧困状態にある者の多数は、最低賃金付近での労働を余儀なくされており、最低賃金の低さが貧困状態からの脱出を阻む大きな要因となっている。最低賃金の迅速かつ大幅な引上げが必要である。

最低賃金の地域間格差が依然として大きいことも問題である。2016年度の最低賃金は、最も低い宮崎、沖縄で時給714円、最も高い東京で932円であり、218円もの開きがあった。しかも、このような地域間格差は年々拡大している。2006年の最低額と最高額の差は109円であったが、この10年間で地域間格差の額は2倍となっている。地方では賃金が高い都市部での就労を求めて若者が地元を離れてしまう現象も見られ、労働力不足が深刻化している。地域経済の活性化のためにも、最低賃金の地域間格差の縮小は喫緊の課題である。 

なお、最低賃金の大幅な引上げは、特に中小企業の経営に大きな影響を与えることが予想される。政府は、最低賃金の引上げが困難な中小企業については、最低賃金の引上げを誘導するための補助金制度等の構築を検討すべきである。さらに、中小企業の生産性を高めるための施策や減税措置などが有機的に組み合わされることが必要である。私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律や下請代金支払遅延等防止法をこれまで以上に積極的に運用し、中小企業とその取引先企業との間での公正な取引が確保されるようにする必要もある。

当連合会は、2011年6月16日付け「最低賃金制度の運用に関する意見書」等を公表し、繰り返し、最低賃金額の大幅な引上げを求めてきたところであり、早急に1000円に引き上げることを求めている。2020年までに1000円にするという政府目標を達成するためには、1年当たり50円以上の引上げが必要であるから、中央最低賃金審議会は、本年度、全国全ての地域において、少なくとも50円以上の最低賃金の引上げを答申すべきである。

上記答申がなされた後に各地の実情に応じた審議が予定されている各地の地方最低賃金審議会においても、以上のような状況を踏まえ、最低賃金額の大幅な引上げを図り、労働者の健康で文化的な生活を確保するとともに、これにより地域経済の健全な発展を促すべきである。

(お知らせ)
 日弁連は下記の集会を開きます。ぜひ、ご参加ください。


シンポジウム「最低賃金引上げには何が要か?法制度と運用面の課題を探る」

日時 6月13日午後6時~8時
場所 クレオ(弁護士会館・霞ヶ関)


◆基調報告:当連合会貧困問題対策本部委員
「青森県・鳥取県調査報告(結果)について」
◆パネルディスカッション
○藤田安一氏(鳥取大学名誉教授・鳥取地方最低賃金審議会元会長)
○神吉知郁子氏(立教大学准教授),他
◆会場発言

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 昨日、衆議院第1議員会館において、日弁連主催の「あるべき労働時間法制に関する院内市民学習会」が開催されました。すでに残業時間の上限を45時間とすべきことや勤務終了後次の勤務の開始までのインターバル時間として11時間を確保することを使用者に義務づけることなどを規制すべしとする日弁連意見書はすでにご紹介しているとおりです。
 この集会では、日弁連案と類似の規制内容を規定する野党4党提出の「長時間労働規制法案」の概要を井坂信彦議員(民進党)から説明頂き、日弁連と連帯して運動していくことを表明頂きました(写真)。
 そのあと、長時間労働により精神障害を発症した2人の青年から過酷な勤務状況や職場のいじめ、日々の辛い思いが語られました。
 こうした状況が繰り返されているわが国の長時間労働の現状をどうしたら改善できるのか。私が進行役となり、労働法の毛塚勝利教授と過労死家族の会の中原のり子さんと対談しました。中原さんからは過労死に至るわが国の働き方の問題点と改善すべき点の報告が詳細になされました。毛塚教授は、法的規制が必要であることはそのとおりであるが、社会全体としての発想の転換が必要であることが強調されました。労働時間を規制して自由時間を確保するという個人の労働の観点から考えるのではなく、「生活時間」の確保というアプローチをすべきであり、「生活時間確保」は使用者はもちろん、国・自治体を含むすべての関係者の責務と考えるべきであるとされる。時間外労働は賃金精算ではなく、時間精算を原則とすべきであると主張されました。
現行労働基準法の考え方とは異なった新しい労働時間法制を求めているのです。大変刺激的で興味深い問題提起です。ワークライフバランスの実現の問題など友密接に関連します。労働法律旬報1884号に毛塚教授の論文が掲載されています。皆さんにも、ぜひ、ご覧頂きたいと思います。

 安倍政権の暴走が止まりません。森友学園問題では真相をうやむやにしようとする一方、共謀罪という危険きわまりない法律案の衆議院での審議入りを強行しました。公明党の反対を押し切って、民法の改正法案や刑法の改正法案をはねのけて、3度廃案になった悪法「共謀罪」を強行しようとしているのです。安倍政権は戦争できる国づくりにひたすら突き進もうとしています。この危険な法案を絶対に阻止しましょう。

 また、安倍政権が掲げた「働き方改革」は、過労死ラインの残業時間を企業に容認するものであり、正社員と非正規社員の格差を固定するものであることが明確になってきました。労働者の働き方を改善するのではなく、労働者をますます劣悪な環境の中で搾り取れるだけ搾り取ることを狙う「働かせ改革」であることが明確になっています。

 人間らしく働くための「ほんものの『働き方改革』」を実現するためにどうしたら良いのか、一緒に考えていきましょう。来る4月9日(日)13時30分から労働法の大家である西谷敏先生にたっぷり講演して頂きます。みなさんのご来場をお待ちしています。
 
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