これまで支給が認められていなかった非正規公務員への賞与の支給が認められることになりました。来年4月から自治体は「会計年度任用職員」という新たな非正規公務員の採用が可能となります。会計年度任用職員には期末手当(賞与)の支給が認められるのです。
この点は前進です。ところが、この制度改正により自治体の人件費が大幅に増えるはずなのに、国と自治体の負担割合がいまだに決まっていないため、自治体が悲鳴を上げています。賞与を支給する代わりに基本給を切り下げて年収自体は変化がないとする自治体さえ出現しています。
2016年の総務省調査で非正規の地方公務員は全国で64万人に上り、地方公務員全体の4分の1程度を占めました。自治体の事務補助職員や保育士、小中学校の学習支援員などあらゆる行政サービスに広がっています。
自治体は全国市長会などを通じて国に十分な財政措置を求めているのですが、総務省の担当者は「財政当局と調整して決める。現時点では何も申し上げられない」と言うだけです。
会計年度任用職員とは、民間企業の「同一労働同一賃金」を目指す政府方針に沿い、地方自治体の非正規職員の任用根拠として新たに位置付けられたものです。臨時・非常勤職員の大部分が対象となり、自治体間でばらばらな勤務条件が統一化されることになります。期末手当などの支給によって正職員との格差解消につなげる目的で認められたのです。官制ワーキングプアをなくし、公務における正規と非正規の格差を解消するためにも、早急に国の財政負担をしっかりとしてもらう必要があります。
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