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2018年11月アーカイブ
 太平洋戦争中に日本で強制的に働かされた韓国人の元徴用工4人に対し、新日鉄住金に損害賠償の支払いを命じた韓国最高裁判所判決(10月30日)が、わが国では大手マスコミも含めて批判されています。その理由は、1965年に締結された「日本国と大韓民国との間の財産権および請求権に関する問題の解決と経済協力に関する協定」(日韓請求権協定)によって解決済みであるとするものです。

 本韓国最高裁判決は、日韓請求権協定の対象に個人賠償請求権は含まれないと判示しました。これに対して、安倍首相は「国際法に照らしてあり得ない判断」であると発言しています。しかし、国際人権法における近時の判断は「重大な人権侵害に起因する個人の損害賠償請求権を国家が一方的に消滅させることはできないとするのが主流となっており、本判決はそうした国際人権法の進展に即した判決だと評価できます。

 また、そもそも日本の最高裁判所も、日本と中国との間の賠償関係などについて、被害者個人の賠償請求権については「請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではな」いとしています。日本の最高裁判所は、日韓請求権協定によっても個人の賠償請求権が消滅するものではないとの立場です。

 さらに、日本政府は、従来から日韓請求権協定により放棄されたのは外交保護権であり、個人の賠償請求権消滅していないとの見解を表明してきました。

 安倍首相の今回発言やマスコミ報道は、国際人権法上の理解を欠いたものであるとともに、わが国最高裁判所や政府のこれまでの判断を一切無視するものです。もう一度しっかりと冷静になって過去の蓄積を振り返り、この問題の解決に向けた冷静な対応を求める次第です。

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