
あの大震災・大津波と原発事故から3年が経ちました。復興事業は大幅に遅れ、福島第一原発はいまだに内部の状態は不明で危険な状況が続いています。近隣住民の帰還の見通しはつかない状態で、子どもたちの甲状腺異常の症例報告が次々となされています。危険な原子力発電をやめさせることが出来ずにきわめて悲惨な被害をもたらしてしまったことを、私たち自身が反省しなければなりません。なんとしても脱原発を実現させていきましょう。
各地で集会やデモが行われました。京都では3月8日に円山音楽堂で集会が開催されました。経済学者の金子勝さんが、原発をなくさなければ日本経済はダメになること、原発存続は電力会社を生き延びさせるためだけのまったく無駄なことであることを壇上を激しく動き回り熱く語りました。2500名の参加者はその後、市内をデモ行進しました。
私の手元に今日「てとてと春2014」という雑誌が届きました。宮城県南部にある「みんなの放射線測定室・てとてと」が「あの日から3年今わたしたちのいるところ」という特集を組んだものです。現地で暮らす皆さんの思いがびっしり詰まっています。ほんの一部を紹介します。
「あの日どこで何をしていたのか、あの日以降どこでどう暮らしてきたか、みなそれぞれが記憶をたどっては不安を抱え、悩み、自分の身体についてきちんと知りたいという思いから集まってきます。世の中がだいぶ落ち着きを取り戻しているかに見える風景の中に、こんなにたくさんの人が、潜在的に不安を抱えて生活しているのだということを、あらためて思い知らされました。それと同時に、私たちは、生涯、こうやって自分や家族の健康への不安を持ち続けて暮らさなければならない状況におかれたのだということにも気づかされます。それは、どこまでが危険でどこからが安全かといった数字上の線引きからはこぼれおちてしまう、こころとからだにもたらされた被害です。いのちと経済は、等価ではありません。こうした痛みは、どんな経済的保障によってもあがなえるものではないのです。
『不安をあおるな』というフレーズは、一見思いやりの言葉に聞こえますが、ともすると、不安を持つ相手を無力化させます。でも私たちは、無知で無力な存在ではない。ここで生きていくために、主体的に測り、学び、分かち合い、行動すること、その責任が私たちにはあります。『データがない』『記録がない』という加害者側にとっての逃げ道を、未来世代に残したくない、残してはいけない、と思うのです。」
現地の皆さんの思いをしっかり受け止めることが大切ですね。
ウクライナ情勢が緊迫しています。ウクライナ南部のクリミア半島の重要拠点をロシア軍が実効支配したとの報道がなされています。オバマアメリカ政権は、ロシアとの軍事交流を全面的に中断し、ロシアとの貿易や投資に関する2国間協議も中止することを決定しました。ウクライナにおいて、米ロの軍事介入による武力衝突の危険が高まっています。
安倍首相が進める集団的自衛権行使が容認されれば、自衛隊はウクライナにすぐにでも派遣され、ロシア軍と戦争する事態になりかねません。尖閣や竹島の領土問題や靖国、南京大虐殺、従軍慰安婦問題についての閣僚らの発言などによって、日中、日韓関係は冷え込んでいます。
安倍首相は、解釈改憲や明文改憲によって憲法9条の改訂を進めようとしていますが、いまこそ憲法9条の大切さをしっかりと認識すべきです。日本を「普通の戦争する国」にしないために、憲法を守るたたかいの輪をさらに拡げていきましょう。
手をつなぐかどうかは別として、毎日新聞に掲載された右翼団体「一水会」顧問の鈴木邦男氏のインタビュー記事(3月1日)の一部を紹介します。「今の憲法は米国に押しつけられたというのは事実だと思うし、きちんと見直すべきだとは思う。ただ、今の政権で改正すればもっともっと不自由になり、国民を縛る憲法になる。自由のない自主憲法になるよりは、自由のある押しつけ憲法の方がいい。形じゃない。」
意見の隔たりは大きそうだが、右翼の大物も安倍政権の暴走に危機感を覚えていることは確かですね。