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2018年7月

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 まもなく、今年の秋から引き上げとなる最低賃金額の審議が始まります。わが国の最低賃金額はOFECD諸国の中ではきわめて低い状態です。昨年全国平均は、25円上昇し848円となりました(京都は856円)。それでも、週40時間働いたとして月額14万67000円、年収176万円に過ぎません。フランス1325円、イギリス1145円,ドイツ1215円などと比べてあまりにも貧弱です。お隣の韓国は、2020年1000円とすることを3カ年で実現するとしています。
 
 最低賃金の引き上げは、貧困問題を解消するためのきわめて重要な政策です。そして、残業代に頼らずに法定労働時間の労働によって人間らしい暮らしを実現していくための重要な政策です。社会保障費の削減にもなります。しかも、この政策は予算がいらないのです。政府さえその気になれば、そして中小零細企業への支援がしっかりと整えられれば,大幅な引き上げが可能となるのです。

 そのためには、最低賃金引き上げの必要性・重要性を広く市民的に理解してもらうことと、中小零細企業支援策の具体化が重要です。7月29日から1週間ほど韓国で調査してきます。改めて韓国の状況を報告します。

 さて、京都でも最低賃金引き上げの必要性を明らかにするための最低生計費調査が始まります。週40時間普通に働けば,人間らしい文化的な普通の生活を営むことができる。そうした社会でなければおかしい。そのためには最低限の文化的な生活にはどれだけの費用がかかるのかを明らかにしておくことが重要です。この間、各地で全労連が中心となって、最低生計費調査が行われてきました。元々は、京都が最初に行ったのですが、だいぶ時間がたったので改めてこの秋に皆さんの協力を得て行うことになりました。全国的には、時給1500円なければとうてい文化的な生活はできないとの結果になっています。京都でどうなるのか、調査結果が楽しみです。
 西日本を襲った豪雨の被害は、これまでの想定を遙かに超える甚大なものでした。火山爆発や地震の多発、温暖化による異常気象による甚大な被害が続いています。尊い命を奪われてしまった皆さんのご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さんの生活が1日も早く回復することを願っています。

 テレビで映し出される倉敷市真備町の光景は、7年前の東日本大地震の際に津波にのみ込まれた東北の町の情景と同じでした。ほんのわずかの時間で、それまでの社会や生活が根こそぎなくなってしまうのです。これからもこうした災害が次々と続くことが予測されます。行政には重要な重点課題として災害対策に充分な予算と知恵を投入してもらいたいと思います。

 と同時に、私たち自身も、災害は必ず来るものとして準備を怠らないようにしましょう。京都市作成のハザードマップをネットで見ました。残念ながら、もはや、これから来るであろう巨大地震や異常気象のなかで、安全な地域はほとんどありません。少しでも被害が小さくなるように努力しましょう。
 今回の被災を教訓にして、各地域で住民が集まって、行政の皆さんと一緒に、今後の対策や活動について話し合うことをしようではありませんか。行政は何ができ、われわれは何ができるのか、意見を出し合うことが大切だと思います。
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 公式な調査報告を離れて、個人的な雑感を2つほど。

 1つは、トイレ。女性の方は詳しくはご存じないかもしれません。日本のほとんどの公衆トイレやレストランのトイレの男性用トイレでは、大便用の個室のほかに小便用の小便器が多数並んで設置されています。ところが、ストックホルムの男性用トイレでは、小便用の小便器が並ぶことはなく、ほとんど個室だけなのです。たぶん女性用トイレと同様です。だから男性用トイレも列をなしています。個室だけなので、レストランやオフィスによっては男女共用です。聞いてみると、LGBTの配慮からこうした変更がなされるようになったとのことです。さすが、人権先進国です。

 もう1つは、個人情報の開示。この国では、基本的に誰がいくら稼いでいるか、税金額がいくらなのかは秘密情報ではなく,情報公開の対象となっているのです。行政のホームページに公開されていて誰でも他人の所得や税額が閲覧できるのです。日本におけるプライバシーの保護対象についての考え方とは異なっているようです。みんなで支え合う社会実現のためには、お互いの情報も必要な範囲で知り合うことが必要であると考えているようです。国家が独占するより、社会が共有することが重要であるとの意識が共有化されているように感じます。
 北欧の社会民主主義国家は、かなり根源的なところで、日本とは異なった構造なのではないかと感じた次第です。しっかり勉強しなければ。        
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   6月10日から1週間ほど、日弁連の社会保障制度の調査のためにスウェーデンのストックホルムに行ってきました。わが国で若者に希望を持ってもらえる社会保障制度をつくっていくにはどうしたら良いのかを探るための海外調査の一環です。

 地元の若い人たちとの交流を深めたく、地元のセンター等を訪問して、直接若い人たちの考えていることやセンターに集まっている理由も聞くことができました。たちは今までわが国では「若い人に対する対策が十分でない」と考えていましたが、スウェーデンでは政策立案過程に若い人たちが参加することや自主性を身に着けることを重視しており、若者自身も政策参加の力を身につけているとの印象を受けました。日本と根本的に違っているのは、若いころから何かに主体的に関わり運営していくことで民主制を学ぶ・体感できることが教育に組み込まれていることです。そういうシステムの上に今のスウェーデンの社会保障システムが成り立っていることが理解できました。「教育の目的は民主主義を学ぶこと」、「みんなでみんなの社会保障を支えるのがスウェーデンだ」、「高い税負担に不満はない。それがみんなにきちんと返ってくるから」、「高所得者から税負担が高すぎるとの不満を聞かない、支え合う社会の実現のためには必要だと理解している」、こんな発言が大人だけでなくこどもたちからも次々と聞かされるのです。

   大学生は月に15万円くらい国から奨学金がもらえ、そのうち3分の1が給付で、3分の2が貸与、利息は0.13%。授業料は無償であり、給付金・貸与金は、1人で暮らしていくための生活費。貧富にかかわらず、どの子もみんな大学で学ぶ権利が保障されているのです。

    4年に一度の国会議員選挙の投票率は8割を超え、20歳以下の若者の投票率も8割を超えます。全国の中学校・高校で国会議員選挙時に「学校選挙」という模擬選挙を実施し、各政党代表者の討論会も実施します。実際の選挙と同様の仕組みで選挙をおこない、結果は本物の選挙後に発表されます。また、こどもたちは日常的に政治について議論しているのです。
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 スウェーデンにも新自由主義の影響は出てきています。移民問題を契機として、これまでの社会民主主義を否定する勢力も台頭しています。しかし、これまでに築きあげられてきた「スウェーデンモデル」は強固に根付いており、そう簡単には崩壊しそうにないとの印象を受けました。
 10月4日の日弁連人権大会シンポジウム(青森)に向けて、今回の訪問調査報告をとりまとめ、わが国の政策形成のあり方に問題提起していきたいと思います。
by 中村和雄 | トラックバック(0)
マスコミ報道は、国会におけるもりかけ問題追及よりも、日大アメフト部事件の報道の方が多いのではないでしょうか。どなたか各局ごとに集計してみれば、各局の体質が分かるように思うのですが。

こうした中で、法政大学が学問の自由に関するきわめて重要な声明を発表していることを教えてもらいました。国会議員が法政大学の山口二郎教授や上西充子教授を根拠に基づかずに攻撃しているためです。がんばれ、法政大学!
 以下に総長声明をご紹介します。




「自由で闊達な言論・表現空間を創造します」

昨今、専門的知見にもとづき社会的発言をおこなう本学の研究者たちに対する、検証
や根拠の提示のない非難や、恫喝や圧力と受け取れる言動が度重ねて起きています。
その中には、冷静に事実と向き合って社会を分析し、根拠にもとづいて対応策を吟味
すべき立場にある国会議員による言動も含まれます。
日本は今、前代未聞の少子高齢化社会に向かっています。誰も経験したことのない変
動を迎えるにあたって、専門家としての責任においてデータを集め、分析と検証を経
て、積極的にその知見を表明し、世論の深化や社会の問題解決に寄与することは、研
究者たるものの責任です。その責任を十全に果たすために、適切な反証なく圧力に
よって研究者のデータや言論をねじふせるようなことがあれば、断じてそれを許して
はなりません。
世論に多様性がなくなれば、働く現場は疲労困憊し、格差はいっそう拡がり、日本社
会は硬直して出口を失うでしょう。柔軟性をもって意見をかわし、より良い方法を探
ることこそ、いま喫緊に必要なことです。
「自由を生き抜く実践知」を憲章に掲げる本学は、在学する学生・院生、本学で働く
教職員の、積極的な社会的関与と貢献を評価し、守り、支援します。互いの自由を認
めあい、十全に貢献をなしうる闊達な言論・表現空間を、これからもつくり続けま
す。
今後、全国の研究者、大学人の言論が萎縮する可能性を憂慮し、本学の研究者に起き
ていることを座視せず、総長としての考えをここに表明いたします。
2018年5月16日
法政大学総長 田中優子

http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/socho/message/180516.html


 民主主義の学校であるはずの国会がまったく機能不全に陥っている状態です。質問に対してまともに答えない、裁判所なら何度も裁判官が被告(安倍首相)に「きちんと簡潔に答えてください」と注意するはずです。若者の政治離れの一定の責任は安倍政権にありますよ。

 という激動の情勢ですが、本日下記の懇談会があります。ご存じない方も多いと思いますが、風俗営業法が改正されダンスに対する規制について大きく変更となりました。今回はダンス規制法改正運動に弁護士としてどう関わってきたのかについてお話しします。京大生はもちろん、ご近所の方は気軽にお越しください。
私が「社会派弁護士」といえるのか否かも含めて、ざっくばらんな和気藹々とした会合にしたいと思います。33876460_1716057948486203_81429551980216320_n.jpg
 働き方改革一括法案が23日衆議院で強行採決されるとの報道です。重要な論点について政府から説明がなく、偽装データ作成の経緯についての反省もなく、スーパー裁量労働制の「高度プロフェッショナル制度」を強行しようとしています。とうてい許せません。明日(22日)18時半から日比谷野外音楽堂で労働弁護団主催の集会が開かれます。http://roudou-bengodan.org/topics/7037/ お近くの方は是非ご参加ください。

 ところで、阿倍「働き方改革」の目玉であったはずの「同一労働同一賃金」はすっかり影を潜めてしまいました。非正規と正規の格差の是正こそ、早急に取り組むべき重要な課題です。
 朝日新聞の報道によれば、大学教員の半数が非常勤だとの調査結果が公表されました。国立大学が34.1パーセント、公立大学が50.7パーセント、私立大学が56.8パーセント。4つも5つもの大学を掛け持ちで行き来する非常勤講師がたくさんいます。それでも年収が300万円に達しないのが多くの非常勤の現状です。大学での常勤教員が減り続ける中で、非常勤教員は毎年増え続けています。

 阿倍「働き方改革」は、かけ声だけで、労働者のための改革の中身が伴っていません。甘い言葉にごまかされることなく、真の働き方改革を進めていきましょう。

 10日に行われた国会の柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人尋問、愛媛県知事がその信用性を否定していますが、私たち法律実務家から見ても到底信用できるものではありません。

 毎日新聞が13日に法律実務家のコメントを掲載しました。一部を紹介します。
イラク差し止め訴訟弁護団の川口創弁護士のコメント
 当初は面会自体を否定した点を踏まえ「供述の核心部分が変遷し、信用性は全く認められない」
 愛媛県職員の面会記録について「面会直後に作成された記録の方が、記憶に基づきコロコロ変わる証言よりも証拠価値が高いのは自明です」

元検事の郷原信郎弁護士のコメント
 「過去の国会答弁との矛盾を避け、愛媛県の『首相案件』文書の追及も免れるための無理な弁解だった。加計学園関係者に特区制度の一般的な説明をしただけだということで押し通し、何一つ事実を明らかにしなかった」

元裁判官の井戸謙一弁護士
 「記憶に基づき丁寧に説明するというより、のらりくらり逃げ回ろうとしているとの印象を持った」
 さらに
 「質問する議員が自分の考えを押しつけようとするなど、尋問技術の稚拙さも目についた。当時の具体的な状況などについて細かい質問を重ね、疑惑の核心を浮き彫りにすることもできたのではないか」

まったく同感です。いずれにしても、柳瀬氏の証人喚問が必要なことは明らかです。
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  「生かそう憲法・守ろう9条 5・3憲法集会in京都」に参加しました。円山公園音楽堂の会場いっぱいの3000人が集い、池内了さんと池田香代子さんのお話に思わず「そのとおり」と相づちを打ちたくなりました。高校生の訴えもあり、各政党代表からの挨拶もありました。希望の党から泉健太衆議院議員も参加してヤジと笑いの中で挨拶しました。「野党は共闘」に奮闘してもらいたいものです。
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   一方、東京では改憲を支持する人たちが「憲法に自衛隊を明記すべき」などと訴えました。集会には安倍首相からのビデオメッセーが...。
 「いよいよ私たちが憲法改正に取り組むときが来ました。我が国の独立と平和を守る自衛隊をしっかりと明記し、違憲論争に終止符を打たなければならない」(安倍晋三首相のメッセージ)憲法改正の議論は大いに活性化し、より具体化していると強調しました。安倍首相は憲法9条について、戦争放棄や戦力を持たないことなどを定めた今の条文は変えずに新たに自衛隊を明記するなどの考えを示し、自民党内では改正案がまとまっています。
 この1年間にJNNが行ってきた世論調査では、憲法改正について賛成と反対が拮抗してきました。しかし、先月行った調査では「改正すべきでない」が47%、「改正すべき」が40%、ここ1年で最も大きな開きが見られました。

 安倍暴走政権を倒し、平和憲法破壊の野望を阻止しましょう。京都府庁に掲げられていた「憲法を暮らしの中に生かそう」の垂れ幕が撤去されてから40年、朝鮮半島の南北対話が進むいま、日本国憲法の平和主義条項の意味について大いに共有したいものです。
 リクルートの26日発表です。2019年春新規採用予定大学生の求人動向調査によると、民間企業の求人倍率(学生1人に対する求人数)は全体で前年の1.78倍から1.88倍と7年連続で上昇。中でも従業員300人未満の中小企業は6.45倍から9.91倍に急上昇しました。

 こうした企業とりわけ中小企業の人材不足を補う政策として、外国人労働力の受け入れ拡大が検討されています。昨年11月1日から「外国人技能実習制度」が施行されているが、自民党は積極的受け入れ策を提言しています。

 26日、自民党雇用問題調査会は、外国人材の受け入れ拡大を柱とする中間報告を了承した。現行制度では、一部の専門職のほかは、技術習得を目的とした技能実習生や留学生のアルバイト、あるいは日系3世などのみがわが国での労働が許されています。中間報告は、人手不足の分野で一定の技術水準と日本語能力を持つ外国人を対象に、新たな在留資格の検討を求めている。
 
 これに関連し、日本商工会議所は26日、外国人労働者の受け入れ拡大を求める意見書を発表した。高度専門職と単純労働者の間にあたる「中間技能人材」という在留資格を新設することを提言している。「中間技能人材」は、高卒以上で母国で5年程度の実務経験があるなど「一定の専門性・技能」を基準とし、在留期間は上限5年とし手更新も認めるとしています。また、日本の大学を卒業した留学生が業種を問わず国内の企業で働くことができるように、卒業生に特化した在留資格も創設すべきだとしています。

 外国人労働者については、基本的に一定期間わが国で働いた後は、本国に帰国してもらい日本に定住することを基本的に認めないというのが、これまでの政府の基本姿勢です。外国人労働者の人権保障の観点からはきわめて問題があるのではないでしょうか。国内労働者の労働条件の劣悪化が進行することがないように配慮した上で、中小企業の経営の維持と外国人労働者の人権保障をはかるためにはどうすべきか、労働側でも本格的な議論を急ぐ必要があります。

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