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2016年7月

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最低賃金

 中央最低賃金審議会が2016年度の最低賃金(時給)引き上げの目安を発表しました。人口を加味した全国加重平均で24円増額、目安どおり決まれば現在の798円から822円となります。京都は、現在の807円から224円増の831円が目安とされました。
 
 24円のアップは画期的と思われる方がいるかもしれません。しかしよく考えてみてください。週40時間、月間173.8時間働いても京都で税込み14万0256円です。税金や社会保険料、賃料などを引いたら手元には10万円も残りません。健康な状態であることを前提として食費をかなり切り詰めても「人間らしい生活」とはほど遠い状態です。

 ちなみに、フランスは9.67€(レートにより変動するが約1276円)、イギリスは6.7ポンド(約1206円)、ドイツは8.5€(約1122円)です。アメリカでは、議会の多数派が共和党のために連邦法の最低賃金は7ドル25セント(約768円)ですが、これを大きく上回る全米各州の州最低賃金が制定されています。ニューヨーク州やカリフォルニア州では近年中に15ドル(1590円)になることが決まっています。シアトル市やサンフランシスコ市も近年中に15ドルになります。

 貧困をなくし格差を是正していくためには、最低賃金の引き上げが重要ですし、世界的な流れです。日本では、最低賃金大幅引き上げは中小零細企業の経営を圧迫し雇用不安となるとの宣伝がまことしやかに唱えられています。最低賃金の大幅引き上げにあたって、もちろん中小零細企業への対策が必要です。法人税や社会保険料の減免をはじめ地域の中小企業の経営を支える政策と一緒にしなければなりません。

 じつは最低賃金の引き上げは地域経済を活性化することに繋がるのです。カリフォルニア大学バークレー校の試算によれば、最低賃金が10ドルから15ドルに上昇することで、カリフォルニア州内労働者560万人の年収は平均で24パーセント増加するとされています。

 8月中に各地の最低賃金審議会で地域ごとの引き上げ額が決定されます。24円程度の増額では不十分です最低賃金1000円実現に向けて各地で運動していきましょう。

 なお、詳しくは私が7月に出版した「『ニッポン』の働き方を変える」(かもがわ出版)(1000円+税)に記載しています。労働時間規制や同一労働同一賃金についても触れています。ご購入頂きご購読頂ければ幸いです。

DSC_0010.JPG 今年は祇園祭の巡行が日曜日と重なりました。大勢の参観者の中で前祭りの巡行が無事終了し、今度の日曜日にはあと祭りの巡行が行われます。京都の熱い夏が本格化します。

 ところで、本日、京都府労働委員会において、私も代理人として参加しているプリントパック不当労働行為事件の命令書が交付されました。テレビコマーシャルで有名なネット通販印刷会社プリントパック社。「早くて安い」の裏で、労働者に対する徹底した締め付けと低賃金加重労働の実態が認定されました。そして、その是正を求める労働者に対する会社の不当な扱いが断罪されました。

 プリントパック社の社員は1日2交代制、すなわち労働者は毎日12時間の勤務が義務づけられています。月間80時間以上の残業が当初からシフト化されているのです。しかもその残業代が固定残業代として当初から90時間分の残業代がきわめて低額の基本給とともに支給されているのです。いくら残業をしても残業代が付加されることはなく、やっと生活を維持できるだけの賃金が80時間以上の残業をすることによって支給されるのです。労働者は毎日毎日ヘトヘトになっています。労災事故もいくつも起きています。

 こうした現状を改善しようと2人の若者が組合を結成し改善を求めたたところ、会社はこの2人を配置転換し、昇給を停止し、夏も冬も賞与をゼロとしたのでした。

 京都府労働委員会は、2人への昇給停止や賞与不支給を、組合加入を嫌悪した不当労働行為であると認定し、会社に対してその是正を命じました。会社には労働委員会の命令をしっかりと受け止めてこれまでの対応を反省することを求めます。

 雇用の現場が劣化しています。いつの間にか、残業をすることが当たり前、残業しなければ差別されるという仕組みが作り上げられてしまっています。いまこそ、働く者の権利を守る闘いの構築が必要です。声を上げていきましょう。
    参議院議員選挙が終わりました。同僚の大河原さんが奮闘しましたが現職の壁を突き破ることはできませんでした。全国的には、東北地方や沖縄での1人区での野党共闘候補の議席獲得など野党共闘が大きな力を発揮しました。比例区では共産党が票を伸ばし、民進党も3年前に比べれば前進しました。しかし、残念ながら改憲勢力が参院でも3分の2を占有するという事態になってしまいました。
 
 わたしたちの訴えがなぜ大きく拡がっていかないのか、失望したり悩んだりしている方も多いと思います。この本は、そうした方にぜひおすすめです。著者はいま売り出し中の慶応大学経済学部の教授ですが、この本は研究者が書いたとは思えない平易な言葉遣いと絵本のような挿絵によってわが国の現状分析と改革の方向性を語っています。しかし中身はとても深いです。そしてとても刺激的です。時々ドキッとするフレーズが登場します。
 「貧困にあえぐ人々を『見て見ぬふりをする社会』を僕たちは生きている」「この格差社会を作り出したのは誰なのでしょう。・・・普通に生活していた人たち、そう僕たちみんなです。自分が負担に苦しむくらいなら、貧しい人にはあきらめてもらう。しかたなく見て見ぬふりをする。そんな『冷たい社会』を生きる僕たちが格差や貧困の問題を生み出したのです。このことへの反省がないかぎり、そして、なぜ僕たちがそんな社会をつくったのかを徹底的に考え抜かないかぎり、公正で優しい社会など実現できるはずがありません。」「格差是正というリベラルの叫びは、多くの人たちの心には響かない、ということです。」「中間層がじわりじわりと貧しくなるなかで、貧しい人の暮らしばかりを重んじるとどうなるでしょう。格差是正の必要性を訴えるほど、負担者となる中間層の痛みが増し、貧しい人への非難、あら探しがはじまります。」
 著者はこの分断社会を解決する方法として、「必要の政治」への転換を提起します。必要の政治とは、弱者を助けるのではなく、人間の必要を充たし、弱者を生まないようにすることです。「全員が受益者となり、全員で負担も分かち合うこと。」
 
 著者の考えをうまく伝え切れません。ぜひ著書を最後までお読みください。異論もあると思いますが、運動のあり方を考えるうえで大変参考になります。

 いよいよ参議院選挙最終版です。各地で激戦が展開されています。京都では大河原候補が自民、民主の現職候補を猛追しています。私は、共産党の「正義の弁護士」大河原としたかさんを応援しています。私は大河原さんとずっと一緒に仕事をしてきました。市民ウオッチャー・京都の同和奨学金事件や派遣労働者のジヤトコ事件など彼なくして勝利することはありませんでした。いつもしっかりと弱者の思いを共感し、皆が嫌がる作業も率先して引き受けてくれます。法廷での尋問能力も抜群で、国会で安倍首相を追い詰めるのが楽しみです。大河原さんを国会に送り出すために皆さんに大河原候補の魅力と政策についてさらなる拡散のお願いをする次第です。
https://twitter.com/kyoto_justice

 今回から18歳以上の方が有権者です。インターネットも大いに利用しましょう。インターネットで宣伝するにあたって「ウェッブサイトなどを利用する方法」の場合と「電子メールを利用する方法」の場合とでは規制がまったく違います。
 
 「ウェッブサイトなどを利用する方法」の場合、すなわちホームページ、ブログ、フェイスブック、ツイッター、LINEなどのSNSでは、連絡先を明記すれば原則自由に選挙運動ができます。候補者名を明記して投票を呼びかけることもできます。

 これに対して、候補者や政党でない者が電子メールを一般的に選挙運動に利用することはできません。もっとも、組織内部行為として電子メールを使用することは可能です。組合や団体が組織内部の情報伝達として利用することができます。

 インターネットは、経費がかからず大量の方に宣伝できる有力な手段です。大いに活用しましょう。もっとも、電話や対話によって要請される方がネットでの依頼よりうれしいという人は多いように感じます。とりわけ中年以上方はその傾向が強いです。電話や対話による支持拡大もぜひよろしくお願いいたします。

 憲法をしっかりと守っていくために、そして、みんなが「ふつうに働き、ふつうに暮らす」ことができる社会を実現していくために、京都選挙区での大河原としたかさんへの支持を大いに広めてください。 

「ニッポン」の働き方を変える               
 5月18日、安倍政権は「ニッポン一億総活躍プラン」を発表しました。アベノミクスの成果を強調し、「日本経済にさらなる好循環を形成するため、旧三本の矢の経済政策を一層強化するとともに、広い意味での経済政策として、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが経済を強くするという新たな経済社会システム作りに挑戦する。」とし、これから目指す「一億総活躍社会は、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、誰もが活躍できる全員参加型の社会である。」とあります。
 開いた口が塞がりません。これまで子育て支援や社会保障を次々と削減してきたのは誰だったのか、多くの女性や若者を非正規雇用として労働市場に登場させた上で、企業の身勝手な理由で使い捨てできるように、労働規制を緩和してきたのは誰だったのか、企業が派遣労働を永続的に使い続けることを認める労働者派遣法の大改悪を実行し、使用者に労働者への残業強制を野放しにしたうえ残業代を支払わなくてよいとする「残業代ゼロ」法案を参議院議員選挙後に国会で強行しようとしているのはいったい誰なのか。一国の総理がここまで自らの行ってきた政策に頬被りをすることが許されるのでしょうか。
 到底許されません。参議院選挙で安倍政権にレッドカードを突きつけましょう。そこで、安倍政権の労働規制緩和政策に対抗して、僭越ながらわたくしめが「一億総活躍」できない「ニッポン」の働き方を「人間らしく働く」働き方に改革するための方策について、本を出版することになりました。
 題して、「『ニッポン』の働き方を変える」(かもがわ出版)、定価1000円プラス税です。7月1日発売です。「同一(価値)労働同一賃金」、「最低賃金の引き上げ」、「長時間労働の規制」、「ワークライフバランス」「ホワイトカラーイグゼンプション」などのテーマについて、アメリカ、オランダ、デンマークの紹介も交えて論じています。ご一読頂き、ご意見、ご感想をいただければ幸いです。 
 大飯原発、高浜原発、玄海原発について、原子力規制委員会自身が、稼働を認めないと判断する可能性が出てきました。yahooニュースの報道です。熊本、大分大地震を教訓にして、科学者たちが事実を直視する方向での議論を発展させることに期待し、応援しましょう。

 ◇過小評価の恐れ

 原子力規制委員会の委員長代理だった島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)が16日、田中俊一委員長らと面会し、安全審査中の関西電力大飯原発(福井県)など西日本の一部原発について、想定する地震の最大の揺れ(基準地震動)の計算方法に過小評価の恐れがあるとし、別の方法で再計算するよう求めた。規制委は大飯原発について再計算する方向で、20日の委員会で対応を検討する。

 島崎氏は2014年の退任後、大飯原発の基準地震動算出に使われている計算式の一つ「入倉・三宅式」を検証した結果、震源として想定する活断層の傾きが垂直かそれに近い場合、その規模が他の計算式に比べて過小評価になることを確認したという。熊本地震でもこの計算式で試算した結果が観測データと一致しなかった。

 名古屋高裁金沢支部で行われている大飯原発3、4号機運転差し止め訴訟の控訴審で、この問題を指摘する陳述書を提出しており、面会で、島崎氏は「地震規模を別の計算式でも計算すべきだ。必要なら(耐震性の再評価など)いろいろな判断をするのが一番ではないか」と述べた。

 原子力規制庁によると、想定する震源断層の傾きが垂直かそれに近く、入倉・三宅式を使っているのは大飯のほか、審査に合格した関電高浜原発(同県)や審査中の九州電力玄海原発(佐賀県)がある。島崎氏は面会後、報道陣に対し「まず大飯で計算すべきだ」と指摘。玄海についても再計算を検討すべきだとする一方、高浜については「(活断層から)離れ、そんなに影響はないのではないか」とした。

 計算式を考案した入倉孝次郎・京都大名誉教授(強震動地震学)は「計算式は地震規模の算定に有効だと科学的に確認されている。ただ、地震の揺れの予測に使う場合には、断層面が垂直に近いと地震規模が小さくなる可能性はある。行政判断として、過小評価にならないよう注意しながら使うべきだ」と指摘する。【岡田英】
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 昨日、京都市内のみやこメッセで共産党大演説会が開催されました。今度の参議院選挙は、改憲勢力である自民党・公明党などが憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を参議院でも獲得することを阻止する重要な選挙です。そのために、全国各地で「野党は共闘」のかけ声の下、1人区ではすべての選挙区で野党統一候補が実現しました。共産党は香川以外のすべての選挙区で選挙区候補者を取り下げるという、きわめて大人の対応をしました。今回の野党共闘が大きく前進した原動力は共産党にあります。
 残念ながら、京都では、早々と民進党が共産党との共闘を拒否することを決議してしまい、全国の流れに水を差しています。「野党は共闘」を前進させて安倍政権を退陣に追い込むためにも、2人区の京都選挙区で大河原さんが当選することの意義は極めて高いのです。

 昨日の集会には3900人の方々が参加し、会場は溢れていました。志位委員長や市田副委員長の力のこもった演説や守田敏也さんらの期待のメッセージなど、政治を一緒に変えていこうとの思いを搔き立ててくれました。そして、大河原さんの演説は、彼の国会議員としての活動が間違いないことを確信させる情熱的で説得的なものでした。助けを必要としている人々の思いをしっかりと理解し、権力者たちと対峙して政治を変える有能な議員になってくれることを保障します。弁護士仲間は大河原弁護士サポーターズを結成しました(写真の「大」の字のカードは私です)。全力で大河原さんを国会に送るために奮闘しますので、皆さん、ご支援よろしくお願いします。
 

 参議院議員選挙の投開票日まであと1月になりました。テレビでは、連日、桝添東京都知事の公費の私的流用問題が賑やかに報道されていますが、甘利元大臣の収賄疑惑については、検察が不起訴にした事実を伝えるだけで、ほとんど報道がありません。そもそも石原元都知事の公費の私的流用は桝添都知事の比ではなかったのですが、残念ながらそれを報道するマスコミはほとんどありませんでした。
 政治的意図をもって意図的に特定のターゲットを攻撃するという偏向報道が横行しています。もちろん、桝添知事の不正流用は徹底的に解明されるべきですし、退陣に追い込むべきですが、甘利大臣の疑惑に目を向けない報道機関には危機感を覚えます。

 今度の参議院議員選挙の最大の争点は、民主主義と立憲主義の回復です。安倍政権によって、踏みにじられた民主主義と立憲主義を回復し、憲法の平和主義を守っていけるか否かの闘いです。NHKをはじめとする偏向報道を是正させるなどの公正中立な報道を回復する闘いは、民主主義回復の闘いの1つです。

 ところで、民主主義の回復はどのようにして実現していくのでしょうか。私たちのまわりにはたくさんの情報伝達媒体が存在します。インターネットの普及によって、多くの情報に触れることが可能となりました。しかし、そこには種々雑多な情報が混在し、何が信頼できる情報なのかを判断することが難しくなっています。政権などが利用する大手の情報関連会社は、どのようにして人々を扇動するかを研究し情報発信しています。各人がしっかりと科学的に情報を検証することが必要でしょう。大いに議論することも必要に思います。

 そして、なんといっても自己の良心に基づいて行動することです。巷では盛んに政治家批判が繰り広げられています。しかし、その多くは居酒屋などでの上司に対する陰口をたたくのと同じで、けっして公の場で積極的に発言するものにはなっていません。ため口をたたいていても世の中は変わりません。世の中を変えるためには、行動が必要です。
 かつてイェーリングという学者が「権利のための闘争」という著書を発表しました。民主主義は何もしなければ奪われてしまう、闘争によって勝ち取っていくものであることを明らかにしました。民主主義の回復は「観客民主主義」では実現しません。「行動民主主義」の実践が必要です。残された1か月、悔いのないようにたたかいましょう。
私の母校である東北大学が、非正規教職員の大量雇止めを通告しました。とても残念で恥ずかしい事態です。東北大学には、労働契約法の趣旨を尊重して、雇止め通告を撤回されることを要求します。
首都圏非常勤講師組合からの報告を転載します。

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     東北大学「大量解雇」事件
東北大学で非正規教職員3200名以上に雇止め通告
無期転換妨害のため一律に5年上限

 東北大学は、3200名以上の非正規教職員に二年後以降、5年継続して勤務した非正規職員を解雇することを通告しました。その大半は恒常的業務に従事している職場で必要とされている人たちです。以前は、3年上限が原則とされていましたが、実際には4年以上勤務する人が大半でした。ところが、大学は、改正労働契約法が施行されると、このままでは非正規教職員が2年後には大量に無期契約に転換することを恐れ、2014年以降に後出しで就業規則を変えて、厳密な一律5年上限に労働条件を不利益に変更しました。しかも、2013年4月1日からカウントして、以前からつとめていた非正規教職員の大半を雇い止めしようというものです。
 東北大当局は、「優秀さ」を基準にごく一部の職員を無期転換させ、残りの非正規職員は雇い止めにすると公言しています。2016年2月16日の文書によれば、正規職員と「同等、あるいは同等以上の成果を出すと見込まれるものであること」が「無期転換候補者」の「選考の目安」としています。これは雇用の安定を目指す改正労働契約法の趣旨を全く無視した違法行為と言わざるを得ません。これに対して、東北大職組は「希望する人全員を無期雇用に」というポスターを作成しました。東北非正規教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は、共同で団体交渉を要求しています。
 民間企業では大半が5年で無期転換を受け入れる意向で、前倒しで無期転換を進める例も増えています。5年で雇い止めにするという悪質な企業は少数派になりつつあります。国公私立大学でも、早稲田大学を初めとして大半の大学が非常勤講師に対する5年上限を撤回しています。また非正規職員に関しても徳島大や信州大では無期転換を認めることを表明しています。国立高専(全国で52校)は2年後の非正規教職員の無期転換を就業規則に明記しています。国公立大学は、法人化されたと言っても、国家予算によって運営されている教育研究機関であり、誰よりも法令順守が求められる立場にあります。当然、改正労働契約法の趣旨を尊重し、2年後には恒常的業務についている希望者を全員無期転換すべきではないでしょうか。
  とりわけ、東北大学は、国大協の会長を出している代表的な大学であり、全国に大きな影響を与えるため、今後の展開が注目されます。

  2016年5月30日     首都圏大学非常勤講師組合

 13日に東京地裁が下した判決の波紋が拡がっている。21年から34年間正社員として勤務してきたトラック運転手3人が、60歳定年により1年契約の嘱託社員として再雇用された。業務内容は定年前とまったく同じだったのに、3人には嘱託社員の賃金規定が適用され、年収が2~3割減収となったという事案である。
 東京地裁(佐々木宗啓裁判長)は、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を切り下げるのは、労働契約法20条に反する」と認定し、定年前の賃金規定を適用して差額分の支払いを会社に命じた。
 
 労働契約法20条を適用した画期的な判決である。同じ仕事をしているのに定年後の嘱託だというだけで正社員と賃金が差別されることに合理性はないとしたものであり、その影響はきわめて大きい。多くの職場で定年60歳以上の再雇用制度が実施されているが、それまでの正社員時代と賃金を同じ扱いとしている会社はごく少数である。多くの職場では、賃金の減額を実施している。今回の判決はそうした取扱について見直しを求めたものだ。

 もっとも今回の判決は、定年前正社員と定年後嘱託の仕事内容がまったく同じだったにもかかわらず、賃金を2~3割減額したことを問題としている。定年後嘱託については、少しだけ仕事を変えた場合はどうなのだろうか。2割~3割ではなく1割程度ならどうなのか。少し仕事を軽減して1割減額する場合はどうなのか。まさに、同一(価値)労働同一賃金の問題である。100かゼロかではなく、割合的に考察すること、100対70は違法だが、100対90なら違法ではない、これまで司法が不得意としてきた割合的考察がこれから求められるはずである。そして、仕事の「同一」性をどうやって判断するのか、職務評価基準の問題である。やっとこうした議論が司法の場でできるようになってきた。大いに議論を深めていきたいものだ。

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