2012年京都市長選 過去のトップページ

2019年11月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

月別アーカイブ

中村和雄のfacebook中村和雄の過去のブログ
 明日11月6日、岩波書店より、岩波ブックレット「最低賃金」(580円プラス税)が発売されます。https://www.iwanami.co.jp/book/b482302.html
 私も執筆にかかわりました。貧困の解消と格差の是正のために今取り組むべき重要政策が「最低賃金」の大幅引き上げです。そして、若者の地方からの流出をくい止め、地方経済を活性化するためには、地域別最低賃金の東京と地方との格差を是正していくことが不可欠です。そのためには「全国一律最低賃金」制度の導入が考えられるのです。

 「最低賃金」制度とはどのようなものなのか、なぜ今最低賃金お引き上げが必要なのか、世界各国の最低賃金制度はどうなっているのか、最低賃金引き上げのためには何が必要なのか、とりわけ中小零細企業に対してどのような支援策をすべきなのか、最低賃金引き上げのための運動はどうすれば良いのか、など最低賃金に関する重要な課題について、簡潔でわかりやすい本にしたつもりです。
 
 ぜひ多くの皆さんが購入頂き、最低賃金の大幅引き上げの運動にご理解・ご協力・ご支援をいただければ幸いです。

 吉本興業のお笑いタレントのたった2回のツイートに京都市が100万円を支出していた事実が判明した。本日の京都新聞朝刊1面に大きく報道されています。じつはこの事実、市民ウオッチャー・京都の情報公開請求で判明したのです。ことの詳細は以下のとおりです。

 京都市は、「京都国際映画祭2018」に向けた取組として、株式会社よしもとに対し、「京都市連携広報施策2018」の業務を委託し、株式会社よしもとに対し、その費用として420万円を支払うことを合意した。
 その委託契約の内容の1つとして、吉本所属のタレントが『京都市の重要施策』をPRする内容をSNSで計2回発信する。」と定められており、1回50万円、合計100万円が計上されていた。
 本件委託契約を受けて、株式会社よしもとに所属するタレントであるミキ亜生氏(ツイッターフォロワー数28.6万)が、SNSサイトであるツイッターにおいて、「今日から京都市営地下鉄各駅に京都市と京都国際映画祭のコラボポスターが掲示されています!ミキのポスターは烏丸御池駅に!他のポスターも探してみてくださいね~!なんと今くるよ師匠のスペシャル構内アナウンスも!#京都市盛り上げ隊#京都国際映画祭2018#コラボポスター#京都市営地下鉄」などのツイートを、京都市より委託された広報であることを告知することなく行った。
それを受けて京都市は本年5月10日株式会社よしもとに100万円の支払いをした。

 広告であることを示す記述がなく、自発的につぶやいているように見せる手法は、口コミを装った広告として「ステルスマーケティング」と呼ばれ、社会問題化しています。ミキ亜矢氏の「つぶやき」は、京都市から高額の報酬をもらって作成された偽りの「ツイート」だったのです。

 こんな詐欺まがいの行為をわれわれの税金を使って行政が行っていいはずはありません。京都市には大いに反省しよしもととの関係を見直すことを求めます。

  ところで、皆さん、吉本興業がたくさんのお笑いタレントが所属する事務所であることは知っていると思いますが、よしもとが多くのNHKをはじめとする番組の企画制作を請け負っている会社だとは知られていないのではないでしょうか。それだけではなく、よしもとは多くの自治体のイベントや広報企画などを自治体に依託され、たくさんの税金が支出されているのです。
 吉本興業所属タレントの不祥事が次々と明るみに出てきていますが、その背景にはこうしたよしもとの変質と自治体やテレビ局とのなれ合いが存在しているのではないでしょうか。
 各地の皆さん、皆さんの地元の自治体はどうでしょうか。調べてみませんか。
 昨日と今日の2日間、衣笠の立命館大学を会場として、「日本労働法学会」が開催されています。研究者の皆さんが中心ですが、弁護士や社労士の皆さんもたくさん参加されています。我々実務家からすると、携わる具体的事件にすぐに役に立つ理論的根拠を求めがちなのですが、もう少し大きな視点に立って、体系的・総合的に外国の法規制との比較や歴史的な考察なども含めて検討したものを報告しあいDSC_1549.JPG、議論をする場です。

 といっても、近年の労働環境の大きな変化の中でそれにどう対応するのかが大きな課題とされ、今年のテーマも以下のとおり極めて現代的に重要な課題ばかりです。以下にテーマだけ紹介します。
 個別報告 ①ドイツ法における管理職労働者に関する解雇規制」 ②「家事使用人の労働条件保護はどのようになされるべきか」 ③「イギリス最低賃金法の研究ー全国一律額方式の実現とその後」
 ワークショップ ①「労働法学は労働法の歴史から何を学ぶか?」 ②「割増賃金をめぐる最近の法律問題ー最近の最高裁判決を素材に」 ③「労働契約法20条に関する最高裁二判決の検討」 ④「顧客等によるハラスメントと法的課題」 ⑤「ギグエコノミー下の就労者に対する法的保護について」 ⑥「働き方の多様化と労働法・経済法の役割」 ⑦「解雇規制の在り方を考えるー解雇無効ルールと金銭解決ルールの比較」
 大シンポジウム統一テーマ 「労働契約における規範形成形成のあり方と展望」

 大変重要な課題ばかりです。たくさんの刺激を受けています。
IMG_8213_R.JPGDSC00706.JPGDSC00657.JPGDSC00655.JPG まもなく高齢者の仲間入りです。私たちの世界は定年制がないので、いつまでも現役の先輩方がたくさんいて、私はまだまだ若手弁護士のつもりでいたのですが、もはや「若手」の呼称は通用しなくなりました。35年間無事弁護士活動を続けてこられたことを一区切りとして、新たにこれからの活動に意欲をもって取り組むために、遅い夏休みをとって配偶者と二人でフィンランドの北、ラップランドIMG_8189_R.JPGへ行ってきました。目的はオーロラを観賞することです。空港で知り合った地元の青年は森に狩りに出かけるとのことでしたが、地元の魅力を「真っ暗闇と静寂」だと言い、そのことが大変価値のあるものであると誇りをもって伝えてくれました。日本各地にもたくさんの自然の魅力があるのに、それを理解し十分に尊重した街づくりがなされていないのとは対照的でした。

 真夜中に音と光のない世界が拡がり、天空にはたくさんの星が拡がっていました。それだけで、日常の生活から解放された別世界です。しばらくすると天空の一部が緑色に輝きだし、龍のように踊り出し、さらには上空一面が緑色とピンクのカーテンとなり風にひらめくように揺れ動くのです。何とも言えない光景です。私たちは幸運にもこうした光景を初日に4回ほど体験することができました。全部で6夜滞在したのですが、後の5日間はうっすらとオーロラが光っているのがわかる程度でした。それでも、昼間には、森の中をかけているトナカイの群れに遭遇したり、リスを追いかけたりと楽しい日々を過ごしました。
 
 6夜もあれば1日くらい当たるだろうと考えていたのですが、地元のガイドさんに聞くと、今回のようなオーロラを見れる機会はめったになく、とても幸運なことだとのことでした。今回の旅行で心身ともにしっかりリフレッシュすることができました。みなさん、これからもよろしくお願いいたします。DSC00654.JPGDSC00668.JPG


 来る2019年12月14日に日韓「働き方改革」フォーラムが朝から晩までめいっぱい開催されます。しかも同時通訳付きです。私も一番最後にコメンテーターとして参加させてもらうのですが、みなさんクタクタではないでしょうか。心配です。 
 さて、参加にあたっては、事前の申込みが必要(11月30日まで。申込み人数が200人に達した場合には早期締切あり)とのことですので、ご参加希望の方はよろしくご対応ください。今回のフォーラムの内容の説明を下記に紹介します。


----------------------------
日韓「働き方改革」フォーラム

労働問題に関心を寄せる、日本と韓国の市民、労働者、実務家、研究者が一堂に会して、両国で進められている「働き方改革」の実態と課題を明らかにするフォーラムを開催します。

日本と韓国の労働分野では、近年、格差・貧困、非正規雇用、長時間労働、過労死、低賃金、差別、ハラスメントなど共通した深刻な状況が広がっています。
日本では、安倍政権が「働き方改革」を推進していますが、多くの問題をはらみ、とくに現場で働く人々から、長時間労働の追認・悪化や雇用の不安定化など、その新自由主義的性格が厳しく批判されています。フォーラムでは、こうした「働き方改革」の実態と問題点を諸側面から明らかにし、市民・労働組合がそれに対してどのような運動を展開しているかについて報告を受け、議論します。
一方、韓国では、労働組合や市民運動が主体的に自らの立場を主張し、労働者の基本権を守る運動や、日本とは逆に、様々なレベルで福祉国家構築を目指す政策論議が多彩かつ強力に推し進められてきました。こうした流れの中で、2017年5月、文在寅政権が「労働尊重」を中心公約に掲げて発足し、最低賃金大幅引き上げ、非正規職の「正規職転換」、長時間労働の是正など、画期的な労働政策を進めました。しかし、政権後半に入って、労働・市民団体から「改革にブレーキがかかり、公約から後退してきた」という批判が出ています。

フォーラムでは、報告者や参加者による議論を通じて、日韓両国が共に直面している労働関連の課題について、互いに知恵を出し合い協力して解決の糸口を探ります。とくに、労働者が人間らしく働く権利を実現することが、国の政策においてもっとも重要な「軸」の一つとなるべきだという視点から、あるべき「働き方改革」の方向を示したいと思います。
そして、このフォーラムを機に、日韓の市民、労働者、実務家、研究者間の緊密な交流と連帯を持続的に創り出していければと思います。

日 時:2019年12月14日(土)9:30~18:00
場 所:龍谷大学 和顔(わげん)館B201
対 象:市民、労働者、実務家、研究者
参加費:資料代500円(当日受付にてお支払い下さい)

☆プログラムについてはこちらをご参照ください。
https://nikkan2019.blogspot.com/p/blog-page_25.html

☆本フォーラムへのご参加に際しては、事前申し込みが必要です。
同時通訳機材確保のため、必ず事前申し込みをお願いします。

    申し込みしめきり:11月30日
(申込数が200名に達しましたら締め切る可能性があります)

韓国済州島にある済州大学で行われた「日韓労働フォーラム」の概要をお伝えします。

 2019年9月7日午前9時より午後5時30分まで、韓国済州大学において第13回日韓労働フォーラムが記載され、当職も参加しましたので報告します。
 今回のフォーラムのテーマは「労働時間規制と年休制度の法的課題」でした。韓国側20名日本側12名の労働法研究者が参加しました。
 日本側から、名古道功金沢名誉教授が2018年の改正を中心に日本における労働時間規制の内容と課題について報告しました。裁量労働制や高度プロフェッショナル制度など弾力化が強まっていることが指摘されました。
  韓国側から、イ・サンヒ韓国産業技術大学教授から2019年1月15日の韓国労働基準法改正による労働時間短縮の内容を中心に報告が行われました。韓国では、週労働時間が40時間、延長可能時間は週12時間までとする改正が行われました。従業員300人以上の企業では2018年7月月1日からそのまま施行、50人以上300人未満の企業は020年1月1日から、5人以上50人未満の企業は2021年7月1日からの施行となります。
 続いて、年休問題について報告が行われました。まず、日本側から、日本の年休規制の変化と年休取得の実態について、和田肇名古屋大学名誉教授が報告しました。日本において年休取得が進まない現状を踏まえ、ドイツの制度との比較などを通じて今後の法改正の方向性にも言及しました。
 韓国側から、韓国の年休制度の内容と取得実態について、韓仁相国会立法調査処研究官が報告しました。韓国では、週15時間未満の労働者には年休取得が認められておらず、改正が議論されているとのことです。年休の取得要件である「1年以上勤務」8割以上出勤」を「6ヶ月以上の労働」に改正すべきであるとの意見も出ているとのことでした。韓国では年休の買い取りが頻発しており、金銭補償制度を禁止する必要性が指摘されています。
 報告に続き、日本韓国双方の研究者から質問や意見が相次いで出されました。両国ともOECDの中ではきわめて長時間労働の実態があります。両国の制度は共通点も多いのですが、相違点もたくさんあります。今後も比較検討しながら、長時間労働を解消していくための法制度を協力して研究していくことが確認されました。
 さいごに、来年は日本においてフォーラムを開催することが確認されました。


DSC_1463.JPGDSC_1462.JPG
DSC_1452.JPGDSC_1448.JPG
 9月6日から9日まで韓国のチェジュ島に行ってきました。労働法の課題について毎年日本と韓国の労働法研究者が相互交流をしている「日韓労働フォーラム」に参加したものです。
台風の影響で天気は悪かったのですが、、レストランもショップもまったくいつも通り、とても居心地の良い状態でした。街では日韓関係の悪化などどこにも感じることはできませんでした。

 ところで、フォーラムの主なテーマは日韓の労働時間規制についてです。韓国と日本は似ているところがたくさんあるのですが、相違点もたくさんあります。日本の残業時間は、休日労働を含めて最大年間960時間まで可能になっていますが、韓国では大変厳しい規制が法律で決定れました。韓国も日本と同じで週40時間が法定労働時間です。そして、残業時間は最大週12時間までを限度としました。300人以上の従業員規模の企業についてはすでに2018年7月1日から施行となっています。そして、50人以上300人未満の企業については2020年1月1日から施行です。5人以上50人未満の企業については、2021年7月1日から施行となります。

 韓国では、2年連続で大幅な最低賃金の引き上げが行われましたが、2020年1月からの引き上げ額は2.87%とかなり緩やかな上げ幅とすることで決着しました。韓国の研究者の分析によれば、これから施行される労働時間の短縮を守ってもらうこととの関係で中小企業にかなり配慮したこともあるだろうとのことでした。賃金の底上げと労働時間の短縮をめざす韓国の働き方改革の行方に注目していきたいと思います。DSC_1454.JPG

 私が原告代理人として担当した事件のご報告です。被告会社は立川ブラインドという有名大手企業です。あまりにもひどい事例ですので、会社名は実名で挙げさせて頂きました。
 
 原告は立川ブラインド営業所主事であったのですが、社内手続き違反などを理由として諭旨解雇されました。上司たちに責任を押しつけられた原告は、2016年1月、原告は解雇処分は無効であるとして大阪地裁に地位確認と未払賃金支払いを求めて提訴しました。証人調べも終了し、裁判所からは解雇が無効であることを前提とした和解案が提示されました。原告は、提示された解決金を少し削って名誉の回復のために、会社のイントラネットに解雇が間違いであったことを掲示してもらい全社員に通知してもらうことを和解の条件とすることを提案しました。そのことを合意した内容で2017年9月和解が成立しました。和解条項として、諭旨解雇処分の取り消し、解決金の支払い等とともに「再調査を踏まえ、〇〇〇〇(原告)に対する〇年〇月〇日付の諭旨解雇処分を取り消す。」との文言を含んだ書面を被告イントラネットのトップページに掲載すること」が確認されました。

 ところが、その後関係者から得た情報から、被告会社がその後社内のイントラネットに掲載した文面は、上記文言の次に、就業規則を改定し諭旨解雇を廃止したためであり、改訂後の就業規則によれば懲戒解雇に相当する旨の記載が付記されていたのです。
 原告も私も驚くとともに憤りました。そこで、原告は、被告会社による掲載文書は和解条項違反であり、原告の名誉信用を著しく損なうものであるとして損害賠償請求を大阪地裁に提訴しました。そして、大阪地裁は2019年7月8日被告に対し200万円の支払いを命じる判決を下したのです。

 大企業といえども、こんな詐欺的なことをするです。弁護士がついていたにもかかわらずです。和解条項に、「これ以外の文言を付記しないこと」を付け加えておくべきだったのでしょうか。弁護士の皆さん、和解条項はくれぐれも慎重に行いましょう。
 東京新聞の報道により、厚生労働省が省内の全部局に、根本匠厚労相の指示として「非正規」や「非正規労者」という表現を国会答弁などで使わないよう求める趣旨の文書やメールを通知していたことが明らかになりました。それらの通知について、東京新聞が情報公開請求した後に撤回したことも明らかになりました。

 厚労省雇用環境・均等局によると、文書は「『非正規雇用労働者』の呼称について(周知)」という件名で4月15日~16日に省内に通知されたとのことです。通知文書の内容は、「当面の国会答弁などの対応では、原則として「有期雇用労働者」「派遣労働者」などの呼称を用いること。「非正規雇用労働者」の呼称も認めるが、「非正規」のみや「非正規労働者」という表現は「用いないよう留意すること」。各部局に送信したメールには、同じ文書を添付した上で「『非正規雇用』のネーミングについては、(中略)ネガティブなイメージがあるとの大臣(根本氏)の御指摘があったことも踏まえ、当局で検討した」と記載され、今回の対応が根本氏の意向であることがうかがえます。「大臣了」と、根本氏の了承を意味する表現も明記されていたとのことです。
 「非正規」の用語に関しては、6月19日の野党の会合で、厚労省年金局課長が、根本氏から使わないよう求められていると説明。根本氏は同月21日の記者会見で「指示した事実はない」と課長の発言を否定しました。

 東京新聞が7月12日付で文書やメールを情報公開請求したところ、雇用環境・均等局は同月下旬に文書やメールの撤回を決めたとし、撤回決定後の8月九9日付で開示を決定しました。

 安倍晋三首相が「非正規という言葉をこの国から一掃する」と豪語したのに、非正規と正規の格差は一向に改善しない状態です。またしても、表面的な言葉の言い換えだけで実態を覆い隠そうとする現政権の政治手法が露呈したものです。「非正規」を無くす方法は明らかです(ここでちょっと宣伝です!「『非正規』をなくす方法」(新日本出版社)脇田先生との共著です)。早く臨時国会を開いて、充実した議論をしてもらいたいものです。
 

徴用工問題に端を発する日韓両政府による相手国への対応の応酬の結果、深刻な事態に至っています。日本では、安倍政権を擁護する報道が多いように思いますが、大切なことは冷静に事実を把握することだと考えます。日本のマスコミによる一方的な報道に流されることなく、多面的に正確な事実を確かめていくことが重要です。

23日、キム・ヒョンジョン青瓦台(韓国大統領府)国家安保室第2次官による談話が発表されています。日本語の翻訳が公開されています。https://kori92.com/?p=2391 引用してご紹介します。

「昨日(22日)の韓国政府による韓日GSOMIA終了は、熟慮と検討の末、国益に基づいて下した決定でした。

GSOMIAは、両国間の高度の信頼関係を基礎として、敏感な軍事情報を交換するためのものであり、日本がすでに、韓日の間で基本的な信頼関係が損なわれたと言っている状況にあって、私たちとしてはGSOMIAを維持する名分が失なわれました。

日本は昨年、韓国の大法院(最高裁)判決が、1965年の請求権協定に違反し、よって、私たちが国際法に違反しているので、韓国政府が大法院の判決を是正する措置をとるよう要求し、私たちに不当な経済報復措置を行いました。

再度強調しますが、韓国政府は、1965年の請求権協定を否定したことはありません。一貫して韓国政府は、日本政府・軍など国家権力が関与した「反人道的不法行為」は、1965年の請求権協定によって解決されたものと見ることができず、日本植民地時代の強制動員被害者個人の損害賠償請求権は、まだ生きているとの立場を維持してきました。昨年の大法院判決は、これを確認したものです。

日本の外務省条約局長も1991年8月27日、1965年の韓日請求権協定によって個人請求権自体が消滅したものではないとの立場を表明しました。また、第2次大戦中にシベリアに抑留されて強制労働をさせられた日本人の個人請求権の問題について、日本自らも「日ソ共同宣言」に基づいて、個人請求権が放棄されたものではないとの立場を表明したことがあります。

日本政府は、韓国の大法院判決を国際法違反と規定し、韓国政府がこれを是正することを要求していますが、通常の民主主義国家では司法に対する政府の干渉は、想像もできないことです。

これまで、日本の指導層は、従来の主張だけを繰り返しつつ、対話に全く真剣に取り組まないまま、韓国が国際法に、一方的に違反したのであるから、韓国がまず是正措置を講じなければならないと継続して要求するのみでした。これに対して、私たちは、日本側と外交的に問題を解決するための様々な方策について(対話の扉を)開いていると言いつつ、継続的に対話を推進しました。

韓国政府は7月、二回にわたって高官級特使を日本に派遣し、8月初めには、駐日韓国大使が日本側総理官邸の高官を通じて協議をしようとしましたが、結果は変わりませんでした。

韓国産業部も、日本側が問題にしている韓国の輸出許可制度の問題を協議するために、日本経産省側に対話を継続的に求めました。7月16日の産業資源部・経産省担当局長間協議の要請に続き、7月24日WTO一般理事会での首席代表間の1:1対話提案、7月27日のRCEP長官会談提案など、数回にわたって実務協議を提案しましたが、日本はこれに一切応じませんでした。

大統領の8.15光復節祝辞でも、私たちは、日本に対話の手を伸ばし、さらに祝辞発表以前に日本側に、この内容まで伝えましたが、日本側は何の反応も示さず、謝意の言葉さえありませんでした。

8月21日に北京で開催された韓日外相会談でも、日本側は従来の立場を繰り返すのみで、真剣に対話に取り組みませんでした。

政府レベルだけの努力があったのではありません。国会レベルでも7月31日〜8月1日の間、韓日議員連盟所属の韓国側議員が日本を訪問し、日本側の議員らと協議をしましたが、私たちの代表団が現地(日本)でどのような待遇を受けたのかについては、私はあえて再度説明しません。

また、ムン・ヒサン国会議長の特使として、パク・チウォン議員も8月19日〜20日の間、日本を訪問し、韓日の葛藤を解決するために努力しましたが、結果は同じでした。

7月17日、私が外信記者団を対象に、韓日の問題についてブリーフィングをしたことをよくご存知でしょう。当時、私は韓国国内のマスコミの批判があることを十分わかっていながらも、日本国民に直接メッセージを伝えたいと思い、明治維新を成功させた「薩長同盟」にも言及して韓日の未来志向の協力の必要性を強調しました。

米国も7月29日時点での状況の悪化を防ぎ、韓日双方が対話により問題を解決するよう勧告するスタンドスティル合意(Standstill Agreement)を韓国と日本に提案しました。韓国側はこれを歓迎し、日本側との協議に同意しましたが、日本は、米国のこのような提案さえも拒否したのはもちろん、この提案が存在することを否定しました。

先に説明したように、我々としては心から、偏見なしで日本と強制徴用問題を外交的に解決するために、すべての方案について肯定的に検討する用意があり、そのような立場を日本側に伝えました。しかし、これに対する日本の対応は、単なる「拒否」を超えて私たちの「国家的自尊心」まで毀損するほどの無視で一貫しており、「外交的欠礼」を犯しました。

一方、韓国政府は、今回の韓日の葛藤の問題をはじめ、韓日GSOMIA問題についての検討の過程で、米側とは頻繁にコミュニケーションし、特に両国のNSC(国家安全保障会議)間で非常に緊密に協議しました。

韓国政府は、今回の決定が韓米同盟の弱体化ではなく、むしろ韓米同盟関係を一段階向上させ、今よりさらに堅固な韓米同盟関係となるよう努力してまいります。

2016年11月に締結された韓日GSOMIAが、今回終了されることによる安全保障に関連した軍事情報の交流不足の問題について懸念されるかも知れません。これについては、2014年12月に締結された日米韓3国間の情報共有約定(TISA)を介して、米国を媒介とした3国間の情報共有チャネルを積極的に活用していきます。

さらに、政府は今後△国防予算増額△軍偵察衛星などの戦略資産の拡充を通じた韓国の安全保障能力の強化を積極的に推進していきます。

韓国国民の皆さんも、今回の日本による経済報復措置を見ながら、私たちが自分自身の核心的部品素材の自立度を高めなければ、いつでも外部によって、私たちの経済が危険にさらされることがある、という事実を確認されたことでしょう。

安保も同様です。現在、国際情勢はわずか数年前とは明らかに異なる環境であると言うことができます。多国間主義が衰退して、自国優先主義が蔓延しています。このような状況では、私たち自身を守ることができるだけの国防力を備えることによってのみ、安保上の危険にさらされる可能性を予防することができます。

堂々と主導的に、私たちが安全保障能力を強化していけば、これは、米国が希望する同盟国の安全保障への貢献増大にも合致するものであり、最終的には、韓米同盟の強化につながるものです。ありがとうございました。(全文訳、以上)


このページのトップへ